転職活動する人に、現役コンサルタントが本気でアドバイスします

最近、新卒で入社した会社の同期や後輩と会話していて、改めて「転職活動の準備って大事だな」と思いました。意外なことに、社会人として優秀に働いている人でさえ、転職の準備となると手探りの状態になってしまうことが多いんです。

特に、新卒からずっと同じ会社に勤めてきた人の場合、転職活動の進め方そのものがよく分からない。履歴書や職務経歴書を書いたことがない人も珍しくありません。これまでのキャリアの棚卸しをどうやればいいのか、どんな会社を選べばいいのか、どんなふうに自分をアピールすればいいのか…多くの人が不安を抱えながらスタートするのが転職活動のリアルです。

そこで今回は、現役コンサルタントであり中小企業診断士でもある私が、本気で「転職活動の進め方」についてお話しします。


目次

エージェントに頼るのは有効。でも注意点あり

まず多くの人が最初に考えるのが「転職エージェントに登録すること」です。実際、これは有効な手段の一つです。エージェントは求人情報を豊富に持っているし、非公開求人を紹介してくれるケースもあります。面接対策をしてくれる担当者もいて、転職活動の伴走者として心強い存在になることもあります。

しかし、ここで注意してほしいのが「エージェントはビジネスとして企業から紹介料をもらって成り立っている」ということ。つまり、必ずしも転職者のため“だけ”に動いているわけではありません。

例えばこんなケースがあります。

  • エージェントが懇意にしている企業の求人を優先的に勧めてくる
  • 転職を迷っている人に対しても「今すぐ転職すべき」と急かす
  • 本人の希望より「決まりやすい求人」を強く勧める

これはエージェントに悪意があるわけではなく、ビジネスモデル上の仕組みなのです。だからこそ「エージェントの言うこと=絶対に正しい」と鵜呑みにせず、自分なりの判断軸を持つことが大切です。


「転職するかどうか」を考え直してみる

ここで意外に思うかもしれませんが、私はまず「転職しない」という選択肢も真剣に検討してみてほしいと思います。

例えば、こんなふうに考えてみてください。

  • 今すぐ転職した場合に手に入るものと失うものは何か?
  • 今の会社であと1年間、本気で成果を出したらどうなるか?
  • その成果は将来の転職活動における強いアピール材料にならないか?

特に20代後半〜30代前半の人の場合、焦って転職するよりも、現職で「やりきった実績」を作ってから次に進む方が長期的には有利になることが多いです。

転職はゴールではなく、あくまでキャリアを形づくるための「手段」です。だからこそ「本当に今、転職すべきなのか?」を立ち止まって考えることが、成功する転職活動の第一歩です。


業界・業種の選び方 ― 軸を持つことがすべて

転職活動で最初にぶつかるのが「どの業界・業種を選ぶか」という問題です。

よくある失敗は「とりあえず有名な会社を受ける」「知っている業界だけで探す」というパターン。これでは軸がなく、志望動機も弱くなります。

私がおすすめするのは、次の3つの観点から整理することです。

  1. キャリアの方向性:将来どんな姿になっていたいのか
  2. 磨きたいスキル:今後武器にしたい知識や経験は何か
  3. 成長できる環境:自分に合う企業文化や働き方はどんなものか

この3点を言語化するだけで「なぜその業界なのか」を語れるようになります。たとえば「将来は海外事業に挑戦したい」「データ分析スキルを武器にしたい」という具体的な軸があれば、IT業界やコンサル業界が自然と候補に上がってきます。


志望動機の作り方 ― ストーリーで語る

志望動機は転職活動の肝です。ここが弱いと、どんなにスキルがあっても「なんとなく受けに来た人」と見られてしまいます。

ポイントは、以下の4ステップでストーリーを組み立てることです。

  1. やりたいこと:自分が成し遂げたいこと、チャレンジしたいこと
  2. 現状の課題:なぜ今の会社ではそれができないのか
  3. 志望理由:なぜ志望先の会社ならそれができるのか
  4. 強み:なぜ自分ならそれを成功させられるのか

この流れで語れると、一貫性のある志望動機になります。

たとえば「データ活用で物流を効率化したい」という人なら、

  • 現職ではシステム投資に消極的で取り組みが進まない(現状の課題)
  • 志望先企業は最新の物流システム導入を積極的に進めている(志望理由)
  • 自分は倉庫現場の改善経験とデータ分析スキルを持っている(強み)

…というストーリーにすれば説得力が増します。


自己アピール ― 強みがない人こそ整理が必要

「自分には特別なアピールポイントがない」と悩む人は多いです。特に大企業で、与えられた業務をこなすことに専念してきた人は、自分の強みを言語化できない傾向があります。

そんなときは、まず「棚卸し」から始めましょう。

  • 成功事例と失敗事例を書き出す
  • 目的、結果、工夫した点を整理する
  • 周囲の人に聞いてみる(あのときの取り組みはどう見えていたか)

自分では「当たり前」と思っていることも、外から見れば十分にアピール材料になります。

このときのポイントは、自分が関わったことだけでなく、所属する企業が取り組んだこと全般に情報収集することです。

転職先の企業にとって、他業界だとしても、他社の上手くいった事例は非常に有益な情報です。コンプライアンスの観点で内情まで伝えることはNGですが、どのような取り組みをして、どのような成果が得られたのか。なぜ上手くいったのかは興味を持って聞いてもらえる確率が高いので、積極的に情報をあつめましょう。

実際に入社したあとに自分が同様の取り組みを進める際にも参考になりますし、成果に繋がりやすくなるでしょう。


煮詰まったときの対処法

転職活動は一人でやると行き詰まります。そんなときの具体的な対処法を紹介します。

  • ChatGPTに質問する:まずは思考のたたき台を作る
  • ネットで情報収集する:業界研究や企業研究に役立つ
  • 自分の経験を人に話す:壁打ちで気づきを得られる

特に「人に話すこと」は効果絶大です。友人や先輩でもいいですが、第三者の視点で率直にフィードバックをくれる人がベストです。私自身も、中小企業診断士・コンサルタントとして、壁打ち相手になることがよくあります。


まとめ ― 気軽に相談してください

転職活動は人生の大きな分岐点です。だからこそ準備不足のまま動くのではなく、しっかり考え、準備することが大切です。

  • 転職は「今すぐ」じゃなくてもいい
  • 軸を持った業界選びが重要
  • 志望動機はストーリーで語る
  • 強みは棚卸しすれば見えてくる
  • 煮詰まったら人に相談する

もし今、転職活動に迷っているなら、一人で抱え込まずにぜひ気軽に相談してください。客観的な視点で整理するだけでも、転職活動の方向性は大きく変わります。

私は現役コンサルタントとして、これまで多くの企業や個人のキャリアに関わってきました。その経験をもとに、あなたの転職活動を一緒に考えることができます。

転職はゴールではなく、キャリアを形づくる一つの手段です。焦らず、でも本気で。そんな姿勢で進めていきましょう。

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