【現役コンサルタント徹底解説】ファシリテーションスキルとは

こんにちは、中小企業診断士のトキです。

今回の記事では、コンサルタントとして避けては通れない「ファシリテーション」に関するスキルについて、解説したいと思います。

意外と習うことが少なく、また上手くやるのは難しいスキルだと思います。

ただ、意識すべきポイントは多くはないので、ぜひこの記事で紹介した点を意識して、普段の仕事に活かしてみてください。

目次

ファシリテーションに関する悩み

社会人になったら、誰しもこんな悩みに出会ったことがありますよね。

「今度の会議で、ファシリテーションを任されることになったけど、どうしよう」

「会議を進めるうえで、どんなことを意識すればいいのだろうか」

「どうすれば、ファシリテーション力をあげることができるのか」

ファシリテーションについて会社で教わる機会って、実はあまりなくて。

みなさん、先輩方の見よう見まねで、なんとなく場数をこなしてできるようになっていくものかと思います。

そこで、今回は現役コンサルタントとして私がファシリテーション力を獲得するうえで、重要なポイントをご紹介します。

新社会人の方、コンサルに転職して間もない方。

まだファシリは先輩にやってもらってるかもしれませんが、いずれ自分の番が来ます。

その時のために、今から準備して、さらっとこなして、評価をあげちゃいましょう!

それでは、どうぞ!

ファシリテーション力とは

そもそも、ファシリテーションとはどういうものなのでしょうか。

ファシリテーションを任されるということは、会議の進行を任されるものと同じ意味です。

ファシリテーションをする人を、ファシリテーターと言います。ファシリテーターは、会議の議題に沿って、資料の説明や参加者から意見の引き出し、それら意見のとりまとめなどを行う役割です。

ファシリテーターが優秀だと、会議をうまく進めることができます。具体的には、会議で狙った目的を達成できます。また、時間通り、もしくは予定時間を前倒しして会議を終えることができるため、非常に効率的です。

ファシリテーションにおける重要なポイント

ファシリテーションにおいて、意識すべき重要なポイントは実は多くありません。

実際に、みなさんがファシリテーションを行う場面を想定したイメージでご説明するのがわかりやすく、真似しやすいと思います。

なので、会議に向かうプロセス別に意識すべき点を説明します。

大きくは、3つのプロセスに分かれます。

会議前:会議に向けた資料作成

会議中:まさに、会議の進行を行う

会議後:会議が終わった後にやることで、更に効果的なファシリテーションにつながる

それぞれで、意識すべきこと・やるべきことが異なりますので、順番に説明します。

プロセス別のやるべきこと

会議前

会議前にやるべきことは大きく2つあります。

  • 目的をはっきりと意識する
  • プランBを用意する

まず最初の「目的をはっきりと意識する」ことについて、説明します。

会議を行うのであれば、何かしらの目的があるはずです。会議の目的をグループ分けすると、

  1. 情報共有
  2. 相談
  3. 意思決定

のどれかになります。

情報共有では、言葉の通り、何かしらの情報を共有するための会議になります。

メールや電話だけでは伝えられない。文字だけでは伝えられないので、会議をすることで情報共有します。

相談は、内容は多岐にわたりますが、上位者や関係者に相談することを目的とします。

例えば、新商品の企画や新規事業のアイディアだしなど。

そして最後は意思決定です。決裁者に決断してもらうための会議です。こちらからは提案やその根拠を説明することで、決裁者に何かを決めてもらうこと、もしくはこちらの想定通り進めていいか承諾をしてもらうための会議になります。

このように、会議を行う目的はいくつかあります。そのなかで、今回自分がファシリテーションするのは、どのような目的の会議なのかしっかりと意識するようにしましょう。

さもないと、会議が終わった後、その会議でやるべきことができたのか評価できなくなってしまいます。

また、会議で使う資料も、目的に沿ったものを作る必要があるので、会議の目的を真っ先に意識しておく必要があるのです。

次に、プランBを用意することについて。

先述した通り、会議では何かしらの目的を達成するために行うものです。そして、ビジネスでは大体想定外のことが起こります。反対意見、見逃していた事実、第三者からの斬新な切り口など。

それらをすべて織り込むことは不可能ですが、自分の頭で考えられるだけ考えたうえで会議に望むようにしましょう。

これを言ったら、相手はなんて言うだろうか?どんなことを疑問に思うだろうか?どんな反論をしてくるだろうか?

これらを見越して準備しておくことは、会議中に臨機応変に対応する備えになるでしょう。

会議前は、少なくとも「会議の目的をはっきりと意識し」「想定される反論に対するプランBを用意して」望むことで、うまく会議をファシリテーションすることができるでしょう。

会議中

つづいて、会議中に意識しておくポイントを解説します。

  • 用意した資料に沿って進める
  • 会議中に出てきたコメントは見えるところに書いておく
  • ネクストアクションとPICを決めて会議を終える

まず、会議前にしっかりと資料を準備しているはずですから、基本的にはその資料に沿って会議を進行しましょう。目的とプランBが織り込まれた資料どおりに進めればたいていはうまくいきます。

そう考えると変に緊張する必要はありません。

もし、緊張してどうしようもないという方がいらっしゃれば、安心してください。

私も緊張します。

でも、緊張は成長の糧になります。経験になります。これを乗り越えれば、次回はもっとうまく会議を進めることができるようになります。誰もが通るステップだと思って、淡々と自信をもって進めましょう。

次に、会議中に参加者からコメントや質問が出てくることがあると思います。

そういったコメントや質問はできるだけ参加者全員が見えるところに、書き残しながら会議を進めていくようにしましょう。書きながら進めることで、どのような質問やコメントがあり、それに対してどのような結論になるのか全員で共有しながら会議を進めることができます。

また、質問者側としても自分の発言が残されていくことで安心しますし、どのような結論になったのか見えたうえで、納得感を持って会議を聞き続けることができます。

最後に、ネクストアクションとPICを会議終盤に決めることについて。

会議を終える前に、会議時のコメントや質問を踏まえて次にやるべきこととその担当者を決めましょう。そうすることで、関係者間の認識齟齬を防ぐことができます。

今日の会議でいろいろ話したけど、結局どういうことが決まって、次何やるんだっけということ。これを必ず決めてしまいましょう。会議内で決めてしまえば、あとはそれを議事メモとして参加者に送ってしまえば、ファシリテーションの仕事はおしまいです。

会議後

それでは、最後のパート。会議後にやることについて解説します。

ファシリテーションを担当することになったら、会議前・会議中だけでなく、会議後もスマートにタスクをこなすのが一流です。会議後にやるべきことは、大きくは2つだけです。

  • 会議終了から24時間以内に、議事メモを参加者全員に送ること
  • 会議内で決まったネクストアクションを進めること

会議を無事終えたら、24時間以内に議事メモを参加者全員に送りましょう。

できれば、会議があった当日中が望ましいです。

会議で決まったことをすぐに参加者に文面として送ることで、会議中に至った結論を事実化することができます。これは、自分を守るためにも必ずやったほうがいいです。

会議は口頭で行われますので、言った言わないのトラブルは避けなければなりません。

会議中にこういうことが決まって、次はこうすることになりましたよね、という内容で議事メモを送ることで、トラブルの際の防御になります。

また、議事メモを送った後はひたすら次のタスクを進めましょう。

ネクストアクションで自分がPICのものはすぐに着手するようにしましょう。

そうすることで、タスクが着実に進んでいき、早くゴールへ到達することができるでしょう。

ファシリテーションのテクニック

ファシリテーションでのポイントは以上です。本当に、たったこれだけ意識するだけで、しっかりと会議をファシリテーションし、会議で予定していた目的を達成できるようになるはずです。

また、プロセス別のところでは説明しませんでしたが、ほかにも意識しておくと上手く会議をファシリテーションできるようになるテクニックがあるので、こちらでいくつか紹介します。

全体→詳細の法則

最初に、全体→詳細の法則です。

これは、説明するときは必ず全体を話した後に詳細を話すようにすることです。

慣れていないと、つい結論を急いで説明をしてしまうことがあるかと思いますが、まずは話の全体像を示すようにしましょう。

一番わかりやすい例が、本の目次です。

目次とは、本の全体像を箇条書きで示したものですよね。目次のない本を私は見たことがありません。

最初に目次があることで、この本にはどこにどのようなことが書いてあるのか把握することができます。

これと同じで、ファシリテーションする際も、最初に会議で説明することの全体像を参加者に示してあげるようにしましょう。

そうすることで、聞いてる側も「あぁ、今日はこの話をするのね」と安心してあなたのプレゼンテーションに耳を傾けることができるでしょう。

先出しじゃんけん

2つ目は、先出しじゃんけんです。

これは何かというと、自分がこれから説明しようとすることを事前に宣言することです。

例えば、会議の冒頭。資料の1ページ目(表紙)を見せながら、「今日は、こういうテーマの会議です。最初に今日の会議でお話しする全体像をお見せします」と言ってから、2ページ目の目次(議題やアジェンダ)に進みます。

これ、何がいいかというと。

  1. 聞いてる側に違和感があったときに、コメントや質問をはさみやすい
  2. 熟練者、ファシリテーションの上級者っぽく見える

本当にみなさんにやってほしいテクニックで、効果バツグンです。

会議を進めていくうえで1つのポイントが、どこで参加者からコメントや質問をもらうかということ。

これは、聞いてる側もどこで発言していいか分からないと不安になって、説明がまったく頭に入ってこない、理解できないという事態を引き起こす危険性があります。

そこで、1ページでも2ページでもある程度まとまったところを説明したところで、「ここまでの内容をまとめると、(説明したことの要約)ということです。ここまでの説明がよろしければ、続いて(次の資料の内容の要約)について説明したいと思います。」と説明します。

こうすることで、参加者は「あ、ここまでの内容で一区切りだな。あそこで気になったことを聞かないと次の話題に行ってしまう!」と気づいて、発言しやすくなります。

気になるところを残してモヤモヤしたまま説明を聞き続けることは、聞いてる側にとって非常にストレスになります。

できるだけ参加者に気持ちよく説明を聞いてもらえるように、意識してみてください。

コメントは、見せながら進める

テクニックの締めくくりは、参加者からのコメントは、実際に書いて見せながら会議を進めていくこと、です。

こちらは上述した通り、会議でのコメント・質問を見えるところに書いておくことで、発言者自身も安心して納得感を持ってその後の説明を聞くことができます。

また、コメントや質問が見える化されることで、質の低い・論点のずれたコメントや質問が来なくなります。これは、発言者側も自分のコメントが全員の見えるところに残されるので、本当にコメントすべき内容か吟味した上で、発言してくれるようになるからです。でないと、的外れな質問が参加者全員の見えるところに残されてしまいますからね。

また、ただ単にコメントや質問を発言のまま残しておくのではなく、論点に割り戻して書いておく等、より会議における論点にどのようにかかわりがあるコメントだったのか分かるように書けるとベストだと思います。

また、そのコメントに対する結論も分かるように残しておき、会議の最後に決定事項・ネクストアクションを振り返る際に、しっかりとその論点も踏まえたうえで会議を振り返るようにしましょう。

(むしろ、それができていないと、あの時の発言でネクストアクション変わったよね?となってしまうので)

まとめ

こちらの記事では、あまり教わることがないファシリテーションについて、現役コンサルタントの視点から解説してみました。

ファシリテーションというと見慣れず、難しい印象を持つかもしれませんが、実際に行う上で意識するポイントは多くはありません。

今回説明したポイントを意識しながら、いくつか実際の会議を経験して、ファシリテーションスキルを身に付けていってください。

それでは、また次回の記事で!

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